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灘渡る古層の響き 平島放送速記録を読む
2011年7月刊
A5判上製353頁(CD付)
本体4800円+税
ISBN978-4-86426-008-4 C0095
装幀 林哲夫
ジャケット写真 大島洋
[目次]
序 放送考古学
1 人のヤギの耳を切らないでください
2 忙しいために、何かとできないのです
3 みどり先生、電話です。寝ておっても、早く起きて……
4 わたしは毎晩泣いている
5 台風さなかの七夕選挙
6 電球ということができないのです
7 声が“うつる”
8 恩義が“暴力”をはぐくむ
9 水源地としても、あるだけは出しておるわけなんです
10 種牛の草がむずかしくなっています
11 盆
12 フレモン(触れ者)を呼ぶ遠島人
結 〈古層〉が〈いま〉を顕し出しえたろうか
ガジュマルの下の青春 森本孝(元日本観光文化研究所所員)
[付録CD]
昭和49年(1974)6月27日-10月4日 トカラ諸島平島放送記録(73分34秒)
CD編集・盤面デザイン 橋爪太作
CD制作協力 大久保実香
[文]
稲垣尚友(いながき・なおとも)
1942年生まれ。トカラ諸島での最初の暮らしは臥蛇島であった。その島が無人になってからは、ひとつ南の平島へ移る。「おじいさん、50年前の島の暮らしを教えてください」という民俗採集者が島に来た。それを聞いて、それなら、わたしは不確かな50年前よりも、確かな〈いま〉を記録して、50年後にやってくる人の資料を準備しようと決めた。著書の半分は孔版(ガリ版)印刷本である。『臥蛇島金銭入出帳』『臥蛇島部落規定』『トカラの地名と民俗(上・下)』などはガリ版本。『山羊と芋酎』『悲しきトカラ』『棄民列島』(以上、未来社)『青春彷徨』(福音館)『東シナ海の贈与』『日琉境界の島 臥蛇島の手当金制度』(以上、CD版本 NJS出版)などがある。生業は竹細工。ひとむかし前の職種名だと、カゴ屋。
[写真]
大島洋(おおしま・ひろし)
1944年生まれ。写真家。概ね60年代後半から70年代は岩手とトカラ諸島を、80年代は写真論誌『写真装置』の編集発行と東欧と西欧、90年代から21世紀にかけてはエチオピアとモーリタニアとイエメンなど、2000年代半ばからは神奈川と福岡を頻繁に往き来して現在に至る。この間に、写真集・著作として『幸運の町』(写真公園林)、『写真幻論』(晶文社)、『ハラルの幻』(洋泉社)、『モーツァルトとの旅』(朝日新聞社)、『リヒャルト・ワグナー』(国書刊行会)、『アジェのパリ』(みすず書房)など。編著書『写真に帰れ』(平凡社)、『再録・写真論』(淡交社)、『写真家の時代』ⅠⅡ(洋泉社)など。写真展は「三閉伊」「平島部落地図」「千の国、千の顔―エチオピア」など数多くある。
[用紙/刷色]
ジャケット ミルトGA スノーホワイト 四六判Y目135kg 特墨+DIC344/2°+グロスPPコート
表紙 里紙 なのはな 四六判Y目100kg 特墨/1°
見返し 里紙 銀 四六判Y目130kg
別丁扉 里紙 きび 四六判Y目100kg DIC542/1°
本文 MTA+-FS 菊判T目76.5kg 特墨/1°
花布 A46
スピン A14
特墨=女神インキ・スーパーブラック