「はじめに」より
　明治40年（1907）に宮本常一が生まれてから、110年が経とうとしている。宮本は、時代が移り変わる中でも決して変わることのない、人と人のつながりを基盤としながら、ムラ社会が保有し続けた伝統的な規範に目を向けつづけた民俗学者であった。そして、人びとはどのようにして暮らしを豊かにしようとしてきたのか、どうすれば地域に暮らす人びと一人ひとりが誇りを持ちながら生きていくことが出来るかを模索し続けた人でもあった。そのような宮本のまなざしが激しく移り変わる現代社会のなかで、ますます重要な意義をもってくるのは間違いないと予感している。
　ともかく、この図録の刊行も、瀬戸内海の島で継続する文化活動のささやかな取り組みの一つとしてお読みいただければ幸いである。

目次
1　蔵書資料　膨大な著作、そして旅を支えた蔵書と読書
2　文書資料　庶民の発見、ノートと原稿用紙に綴った民衆の記録
3　民具資料　暮らしの工夫と変遷を伝えるモノ語り
4　写真資料　カメラレンズの向こう側
5　宮本常一略年譜

ジャケット　ミルトGAスピリット　スノーホワイト　菊判Y目　76.5kg　4°半マットニス引き
表紙　NTラシャ　セピア　菊判Y目　118kg　K/1°
見返し　NTラシャ　セピア　菊判Y目　69.5kg
本文　モンテルキア　四六判T目　90.5kg　4°